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鹿との対峙 [動物]

家の上の林道が開通したもので、
すっかりこの谷は猟のメッカ(古い)となっております。

毎週末にはライフルを下げた猟師さんと猟犬が大勢やってきては走り回っています。
何と…都会では考えられない光景ですがこれが四万十市です。
そう簡単に捕まりませんけども。


ちょっと前の話になりますが
父さんが鹿を仕留めました。

罠猟の免許をとってから、2度目。

1度目は、丁度去年の今頃。
初めて自分たちの手で殺し、皮をはいで、肉を削ぎ落す。
肉は食糧に、皮はいつか太鼓に

息子も、動物がお肉になるまでの一部始終をみて
どう思っただろう。
可哀想と言いながらも、食べているけれど。

スーパーで並んでいる、一生を檻の中で過ごした動物と
最後まで山で自由に暮した動物と…
どちらにしても、私たちの為に誇り高い命を預けてくれている
野菜にしても。
深い悲しみと、尊敬、感謝。。

RIMG0541-2.jpg

先日罠にかかった鹿は
まだ若い、人間で言うと18歳くらいに見える鹿

鹿がかかった、と聞いて、仕事場のおんちゃんもついてきた
父さんは道具をとりに家へ
おんちゃんと私が見ている間、なんとか逃げようと暴れる鹿
ごめんね、ごめんね、

その鹿の気高かったこと

父さんが道具を持って現れた瞬間
ぴたっと逃げるのを辞め
しゃんと立ち直り
じっと私を見つめた
とても綺麗な顔
冠のような前髪

そして父さんを見つめる

最後の瞬間まで、
その子はじっとして
呻き声1つあげなかった

手塚治虫のブッダにでてくる、
飢えた動物に自分の体を捧げた僧のように

ごめんなさい
許して下さい
ありがとうございます
愛しています

おんちゃんときたら、さっさと車に逃げ込み
一部始終が終わってからどれどれ、と戻ってきた

あの嫁はむごいこと見ている、と後で言っていたらしいけれど
それはむごいことだよ
でも、自分たちの為に命を預けてくれた鹿の
最期をしっかり見取らないと
申し訳ないと思ったのだ

あなたの、気高くて美しい瞳は、ずっと忘れないね
ありがとう

土が植物を育て、植物が動物を育て、動物が動物を育て
虫が鳥を育て、、
命がぐるぐると回って、繋がっている
私たちも、もらうだけでなく
他の命のために何かできることを
少しずつでもしていこう


おんちゃんが、「これでしばらくのタンパク源になるのお」
と言って去って行った
そう、山暮らしの、貴重な食料として
大切に頂きます
ありがとう


つぎに捕まった時は
ちょっと仲良くなれないか飼ってみたいな
と父さんは今朝呟いていたけれど
うん、仲良くなれるといいな
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